スタッフを雇う前に知っておくべきこと|「人手が足りないから採用」では失敗する理由

スタッフを雇う前に知っておくべきこと|「人手が足りないから採用」では失敗する理由

サロンが忙しくなってくると、「そろそろスタッフを雇った方がいいかな?」「自分一人では予約を取りきれない」と考えるタイミングがやってきます。

私自身もスタッフを雇ってサロンを経営してきましたが、スタッフを雇うというのは、単純に施術者が一人増えるということではありません。売上も増える可能性がありますが、同時に人件費・教育・マネジメント・労務管理など、オーナーが背負う責任も増えます。

だからこそ私は、「誰を採用するか」よりも前に「なぜ採用するのか」を考えることが大切だと思っています。

目次

① 「忙しいから採用する」が一番危険

スタッフを雇う前に知っておくべきこと|「人手が足りないから採用」では失敗する理由

スタッフを雇う理由として「予約がいっぱいになったから」というのは、一見すると正しいですよね。でも、ここで一度立ち止まって考えてほしいことがあります。

「そのスタッフが入ったら、本当に利益が残るのか?」

スタッフのお給料だけではありません。一人雇うことで発生するコストはたくさんあります。

💰 スタッフを雇うと発生するコスト

給与・賞与 / 社会保険・労働保険の事業主負担 / 採用費 / 教育時間
制服・備品 / 施術に使う商材 / 集客費 / 勤怠・給与計算などの管理コスト

⚠️ 労務手続きも忘れずに

雇用する場合、労働条件の明示が必要です。2024年4月からは就業場所・業務の変更の範囲など、明示事項も追加されています。また、労働保険は原則として労働者を一人でも雇用する事業は適用対象となります。最新の制度を確認しながら進めてください。

「人が増えれば売上も増える」ではなく、「その人が働くことで、どれだけの売上と利益を生み出せるのか」まで考えてから採用することが大切です。

② 「自分と同じようにできる人」を探さない

オーナーが採用するときに陥りやすいのが、「自分と同じように仕事ができる人が欲しい」という考え方です。でも、正直これはかなり難しいです(笑)。

オーナーは何年もかけて、技術・接客・カウンセリング・お客様との関係づくり・クレーム対応・売上管理など、さまざまなスキルを身につけています。それを入社したばかりのスタッフに求めるのは無理があります。

ℹ️ 採用で本当に見るべきところ

技術は教えられる。知識も勉強できます。
でも「お客様を大切にしたい」「美容を通して人を喜ばせたい」という部分は、採用時からしっかり見ておきたいところです。

「自分と同じ人を採用する」のではなく、「自分のサロンの考え方に共感してくれる人を採用する」ことが大切です。

③ 採用する前に「教育できる状態」をつくる

スタッフを雇う前に知っておくべきこと|「人手が足りないから採用」では失敗する理由

意外と見落とされるのがここです。「スタッフを採用してから教えればいい」と思ってしまいがちですが、私はむしろスタッフを採用する前に、教えられる仕組みを作っておくことが重要だと思っています。

例えば——

📋 言語化しておくべき「当たり前」の例

「カウンセリングはこういう流れ」
「この質問を必ずする」
「施術後はここまで説明する」
「次回予約の提案はこうする」

オーナーにとっては当たり前でも、スタッフにとっては初めてのことです。感覚で教えるのではなく、できるだけマニュアルやチェックリストにしておく。そうすると、教育する側もされる側も楽になります。

④ 給料だけでなく「働く理由」を考える

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スタッフにとって「いくらもらえるか」はもちろん大切です。でも、それだけでは長く働いてもらうことは難しいと思っています。

「このサロンで成長できる」「お客様に喜んでもらえる」「自分の技術を高められる」——働く理由は人それぞれです。だからこそオーナーとして、「このサロンで働くことで、スタッフは何を得られるのか?」を考えることが大切です。これは採用時だけではなく、入社後にも重要です。

⑤ 「スタッフを雇ったら自分が楽になる」とは限らない

これは私自身、実際に経験して感じたことです。

スタッフを雇えば、自分が施術しなくても売上が上がる——そう思って採用したのに、「スタッフの教育」「予約管理」「スタッフ同士の調整」「売上管理」「悩み相談」など、今までなかった仕事が一気に増えることがあります。

ℹ️ スタッフを雇うと起きる変化

施術者としての仕事が減って、経営者としての仕事が増える

ここを理解せずに採用すると「前より忙しくなった……」となりかねません。でも逆に言えば、ここを乗り越えて「自分がいなくても回る仕組み」を作ることができれば、サロン経営のステージは大きく変わります。

⑥ 最初から「人件費」ではなく「投資」と考える

スタッフを雇うとき、「この人にいくら払うか」だけを考えるのではなく、「この人が成長したら、どんなサロンを一緒につくれるか」と考えてみてください。

お客様に喜んでもらう。スタッフ自身も成長する。サロンにも利益が残る——この3つがうまく循環する状態を目指すことが大切だと思っています。

採用する前に、この5つを確認してみてください

✅ 採用前チェックリスト

  • なぜ今、スタッフが必要なのか?
  • スタッフ一人を雇っても利益が残る設計になっているか?
  • 自分のサロンの価値観を言葉にできているか?
  • 教育する仕組みができているか?
  • スタッフが「ここで働きたい」と思える環境をつくれているか?

ここが整理できてから採用活動を始めても、決して遅くありません。

スタッフを雇うことは「経営者になること」

私自身、サロンを経営していて思うのは、一人でやる経営と、スタッフとやる経営は全く別物ということです。

一人サロンなら、自分が頑張れば売上になります。でもスタッフを雇った瞬間から、「自分が頑張る」だけではなく、「人が活躍できる環境をつくる」ことがオーナーの仕事になります。

だからこそ、スタッフを雇うことをゴールにするのではなく、「どんなサロンをスタッフと一緒につくっていきたいのか」を先に考えてみてください。

そして、雇用契約や保険・労働条件などの手続きは、感覚で進めず最新の制度を確認しながら、専門家にも相談することをおすすめします。

JELでは、こうした「実際にスタッフを雇ってサロンを経営してみないと分からないこと」も含めて、リアルなサロン経営を伝えていきたいと思っています。スタッフを雇うことは、サロンを大きくすること。そして同時に、オーナー自身が「経営者」に変わっていくタイミングでもあります。

スタッフ採用・サロン経営のお悩みをご相談ください

この記事のまとめ

  • 「忙しいから採用する」の前に、利益が残る設計になっているか確認する
  • 給与以外の採用コスト(保険・教育・管理)も含めて計算する
  • 「自分と同じ人」ではなく「サロンの価値観に共感できる人」を採用する
  • 採用前に教育の仕組み(マニュアル・チェックリスト)を作っておく
  • スタッフを雇うと施術者の仕事が減り、経営者の仕事が増える
  • スタッフは「人件費」ではなく「投資」として考える
  • 労務手続きは最新の制度を確認し、専門家に相談する
スタッフを雇う前に知っておくべきこと|「人手が足りないから採用」では失敗する理由

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