はじめまして。井上です。エステ業界でディーラーとして15年以上、全国のサロンオーナーさんに機器の提案・販売をしてきました。
その経験の中でずっと感じてきたことがあります。「機器選びで後悔しているオーナーさんが、あまりにも多い」ということです。
「買ったけど思ったより効果が出ない」「故障したらメーカーと連絡がとれなくなった」「ローンだけ残っている」——こういった話を、本当に何度も耳にしてきました。
この記事では、売る側の立場だからこそ知っている「エステ機器選びのリアル」を、できる限り正直にお伝えします。これから機器の導入を考えているサロンオーナーさんの参考になれば嬉しいです。
まず正直に言います。「機器さえ買えば売上が上がる」は幻想です

ディーラーとしてこんなことを言うのは珍しいかもしれませんが、これが現実です。
機器は「道具」です。使いこなせてはじめて意味があります。どんなに高性能な機器でも、施術メニューに組み込めていなければ、お客様に価値を伝えられなければ、売上にはつながりません。
むしろ「機器を導入したから集客できる」という思い込みで高額な機器を買ってしまうと、毎月のローンが固定費として重くのしかかってきます。特に開業直後は要注意です。
ℹ️ 井上の経験から
機器を導入して半年後に「思ったより使っていない」と相談してくるオーナーさんは少なくありません。買う前の熱量と、買った後の現実にギャップが生まれやすいのが機器導入の怖いところです。
機器導入前に必ず確認する5つのこと
機器を買う前に、以下の5つを必ず確認してください。これをやるだけで、後悔のリスクが大幅に下がります。
① 月に何回使うか、現実的に試算する
「週に5回は使います!」と思っていても、実際には予約の入り方やメニュー構成によって変わります。現実的な稼働回数=週○回×4週で計算してみてください。
たとえば週3回しか使わないなら、月12回です。1回の施術単価が5,000円なら、機器から生まれる売上は月6万円です。100万円の機器なら回収に17ヶ月かかる計算になります。
② 回収期間を数字で計算する
| 機器の価格 | 月の稼働回数 | 1回の施術単価 | 回収期間の目安 |
|---|---|---|---|
| 50万円 | 月20回 | 5,000円 | 約5ヶ月 |
| 100万円 | 月15回 | 5,000円 | 約13ヶ月 |
| 100万円 | 月10回 | 5,000円 | 約20ヶ月 |
| 200万円 | 月10回 | 8,000円 | 約25ヶ月 |
回収期間は12ヶ月以内が理想です。どんなに魅力的な機器でも、回収に2〜3年かかるようなら慎重に考えてください。その間ずっとローンの支払いが続きます。
③ メンテナンス・消耗品のコストを確認する
機器の本体価格だけを見て判断するのは危険です。機器には必ずランニングコストがかかります。
- 年間保守契約費(3〜10万円程度が多い)
- 消耗品・交換パーツ代
- 故障した場合の修理費
これらを含めた「総コスト」で判断してください。本体が安くても消耗品が高い機器は、長期的に見るとかなりのコストになることがあります。
④ 必ずデモ機で自分が試す
カタログや動画だけで判断するのはやめてください。実際に自分の肌で試してみること、そして施術を受けた感覚を確認することが大切です。
「デモ機を貸してもらえないディーラー・メーカーとは取引しない」くらいの気持ちでいてもいいと思います。自信のある商品なら、デモを断る理由がないはずです。
⑤ 解約・返品条件を契約書で確認する
⚠️ ここは絶対に確認してください
「返品・解約はいつでもOKです」という口頭の約束は証拠になりません。契約書に何と書いてあるかを必ず自分で読んでください。「〇日以内のキャンセルは手数料〇%」「一度開封したら返品不可」などの条件が書かれている場合があります。
メーカー・ディーラーの営業トークを見抜くポイント

ここからは少し踏み込んだ話をします。同業者に言うのは気が引けますが、オーナーさんを守るために正直にお伝えします。
メーカーやディーラーには売上目標があります。月末が近づくと「今月中に決めてもらえると…」という話が出やすくなります。これはどの業界でも同じですが、高額商材を扱うエステ業界では特に影響が大きいです。
要注意な営業トークパターン
⚠️ こんな言葉が出たら立ち止まって
- 「今月末までのキャンペーン価格です」
→ 来月も同じ価格になることがほとんどです - 「導入したサロンさんは全員売上が上がっています」
→ 都合の良い事例だけを見せている場合があります - 「他の〇〇エリアのサロンさんも入れてます」
→ 近隣に同じ機器があると差別化になりません - 「初期費用ゼロ、ローンで始められます」
→ 総支払額と月々の負担を必ず計算してください - 「このメーカーは今すごく人気で在庫が少ない」
→ 焦らせる演出である場合があります
私自身もサラリーマン時代にこういった言葉を使っていたことがあります。だからこそ、見抜いてほしいのです。「その場で決めない」を鉄則にしてください。持ち帰って3日考えて、それでも欲しければ買えばいい。良い機器は3日後もなくなりません。
信頼できるメーカー・ディーラーの見分け方
一方で、本当に良いメーカー・ディーラーも存在します。私が長年の経験から感じる「信頼できる相手の特徴」をお伝えします。
✅ 信頼できるメーカー・ディーラーの特徴
① デメリットも正直に話してくれる
「この機器はこういう施術には向きません」と言える人は信頼できます
② 他社との比較情報を提供してくれる
「競合のA社と比べるとこういう違いがあります」と言える人は本物です
③ 導入後のサポート体制が明確
故障時の対応・連絡先・保証内容が明文化されている
④ デモを快く引き受けてくれる
製品に自信があれば、デモを断る理由がありません
⑤ その場で決断を急かさない
「持ち帰って検討してください」と言える人は誠実です
メーカーの「安定性」も確認する
機器は買ったら終わりではありません。数年にわたって使い続けるものです。そのため、メーカー自体が安定して事業を続けているかどうかも重要な判断基準です。
私がこれまで経験してきたトラブルの中で多かったのが、「メーカーが連絡を絶った」「倒産して保証が受けられなくなった」というケースです。特に海外メーカーや新興メーカーの機器は、アフターサポートの確認を念入りにしてください。
| 確認項目 | チェックポイント |
|---|---|
| 会社の所在地 | 日本に法人登記があるか。連絡先が明確か |
| 設立年・実績 | 設立から何年経っているか。導入実績は豊富か |
| 修理・メンテナンス体制 | 故障時の連絡先・対応日数・修理拠点が国内にあるか |
| 保証内容 | 保証期間・保証範囲が契約書に明記されているか |
| 消耗品の入手性 | 消耗品・交換パーツが継続的に入手できるか |
開業時に機器を揃えすぎてはいけない理由
「開業するなら機器を一通り揃えたい」という気持ちはよくわかります。でも、開業直後に高額機器を複数導入するのは正直おすすめしません。
理由は3つあります。
- 資金がショートするリスクが高い
開業直後は売上が安定しません。固定費が重なると経営が苦しくなります - 使いこなせないまま放置される
複数の機器を同時に導入すると、どれも中途半端になりがちです - お客様のニーズが見えてから選んだ方がいい
実際に営業を始めてみると、お客様が求めるものが見えてきます。そこから逆算して機器を選んだ方が失敗が少ない
ℹ️ 私がおすすめする機器導入のタイミング
開業から3〜6ヶ月、まずは基本的な手技と消耗品だけで施術を行い、お客様の声・ニーズを集める。そこで「この施術をもっとグレードアップしたい」「この悩みに対応したい」という明確な目的が生まれてから、機器の導入を検討するのが最もリスクが少ないです。
機器選びで迷ったら、気軽に相談してください

「この機器は本当に必要か」「このディーラーの提案は妥当か」「他にもっと良い選択肢はないか」——こういった相談を、売り込みなしでお受けしています。
私はディーラーとして複数のメーカーと取引しているので、特定のメーカーだけを押しつけることがありません。サロンの状況・予算・目的に合わせて、正直な意見をお伝えします。
JELのLINE公式アカウントから気軽にメッセージをください。
売り込みなし・正直にお答えします
エステ機器の選び方 まとめ
- 「機器を買えば売上が上がる」は幻想。機器は道具、使いこなせてはじめて意味がある
- 導入前に回収期間を必ず数字で計算する。12ヶ月以内が目安
- メンテナンス費・消耗品代を含めた「総コスト」で判断する
- 必ずデモ機で自分が試してから決める
- 営業トークに焦らされない。その場で決めず、必ず持ち帰って検討する
- メーカーの安定性・アフターサポート体制を契約前に確認する
- 開業時は機器を揃えすぎない。お客様のニーズが見えてから導入を検討する
機器選びで後悔するオーナーさんをひとりでも減らしたい——それが、この記事を書いた理由です。何かご不明な点があればいつでもご相談ください。





