「このメニュー、いくらにしたらいいんだろう?」——
サロンを開業するとき、多くのオーナーさんが悩むのが価格設定です。
周りのサロンを見ると、同じようなメニューでも価格はバラバラ。「近隣サロンより高いと来てもらえないかな?」「安くした方が新規が増えるかな?」そんなふうに、つい「地域の相場」を基準に考えてしまいがちです。
でも、8年間サロンを経営してきて私が感じるのは、価格は「周りがいくらだから」ではなく、自分のサロンがどんな価値を提供するのかから逆算して決めることが大切ということです。
① まず「いくらなら払ってもらえるか」ではなく「いくら必要か」を考える

価格設定をするとき、最初にやってほしいのが原価計算です。サロンを運営するためにかかるコストをすべて洗い出すことから始めてください。
💰 サロン運営にかかる主なコスト
商材費・消耗品 / 人件費 / 家賃 / 光熱費 / 決済手数料 / 広告費 / その他固定費
「この地域では5,000円くらいだから5,000円にしよう」と決めてしまうと、実際に営業を始めてから「思ったより利益が残らない……」ということが起こります。
特に怖いのが、忙しいのに利益が残らない状態です。予約がいっぱいなのに、オーナー自身が疲弊してしまう。これでは長く続くサロンにはなりません。だからこそ、まずは自分のサロンを維持するために必要な利益を含めて価格を考えることが大切です。
② 「施術時間」だけで価格を考えない
例えば、60分のフェイシャルが8,000円、90分のフェイシャルが12,000円——単純に考えると「90分の方が高いから当たり前」と思うかもしれません。
でも、お客様が払っているのは、施術時間だけではありません。
ℹ️ サービスに含まれているもの
カウンセリング / お客様の肌状態の確認 / その方に合った施術の考案
ホームケアのアドバイス / 次回プランの提案
施術以外の時間・知識・経験・技術も、すべてサービスのうちです。
だから「60分だから○円」という時間だけを基準にした価格設定にはしないことをおすすめします。提供している価値全体で価格を考えてください。
③ 「何をするか」より「どうなれるか」を考える

価格を決めるとき、もう一つ大切なのがお客様が得られる未来です。
| 伝え方 | お客様に伝わる価値 |
|---|---|
| 「毛穴ケア 60分 8,000円」 | 施術内容の説明にとどまる |
| 「毛穴悩みを改善して、すっぴんにも自信が持てる肌へ」 | 施術を受けた先の未来が見える |
もちろん、表現だけを変えて高い価格をつければいいという話ではありません。実際にその価値を提供できる技術やサービスがあることが前提です。そのうえで、「この施術を受けた結果、お客様はどうなれるのか?」を考えてみてください。サロンの価格は、メニューの内容だけではなく、お客様が感じる価値によっても変わります。
④ 安くすれば、お客様が増えるとは限らない

「新規のお客様を増やしたいから、初回価格を安くしよう」——これはサロン開業時によくある考え方です。もちろん初回限定価格などを活用する方法はあります。
ただ、安さだけを理由に来店したお客様は、さらに安いサロンがあればそちらへ移ってしまう可能性があります。
⚠️ 「安さで集める」経営の落とし穴
安さを理由に来たお客様は、より安い店が出れば移ってしまいます。価格競争に入ると、いつまでも値下げを続けることになり、疲弊する経営につながります。
それよりも私は、「このサロンだから通いたい」と思っていただける理由をつくることが大切だと思っています。RUXCIAでも、価格だけではなく、結果やホスピタリティ、お客様一人ひとりに寄り添うことを大切にしています。
「安いから来る」ではなく、「ここにお願いしたいから来る」という関係をつくる。それが、長く続くサロン経営につながっていくと思っています。
⑤ 値上げ=悪いことではない
サロンを長く経営していると、商材費や光熱費、人件費などのコストが変わることもあります。また、技術や経験が増え、提供できるサービスの価値が変わることもあります。
それなのに「お客様が離れたら怖い」という理由だけで、何年も価格を変えられないケースがあります。でも、価格を適正に見直すことは、決して悪いことではありません。
ℹ️ 値上げするときに大切な2つのこと
① 「なぜこの価格なのか」を自分自身が説明できること
② お客様に対して、価格変更の理由とそれによって提供する価値を丁寧に伝えること
価格設定で迷ったら、この3つを考えてみる
私が価格を考えるときに大切だと思っていることをまとめます。
💡 価格設定の3つの視点
① サロンを継続するために必要な価格はいくらか
まずは経費と必要な利益を計算する
② 自分のサロンは何を提供できるのか
技術だけではなく、知識・接客・空間・カウンセリングなど、提供している価値をすべて考える
③ お客様にどんな未来を提供したいのか
「何分いくら」だけではなく、その施術によってお客様がどうなれるのかを考える
「安いサロン」をつくるのではなく「選ばれるサロン」をつくる
サロン経営をしていると、どうしても競合店の価格が気になります。でも、他店が6,000円だから自分も6,000円——という決め方をしてしまうと、いつまでも「価格を合わせる経営」になってしまいます。
大切なのは、「私のサロンは、なぜこの価格なのか?」を自分自身が理解していること。そして、その価格以上の価値をお客様に感じていただけるサロンをつくることです。
価格設定は、単に数字を決める作業ではありません。「どんなサロンをつくりたいのか」を決めることでもあります。
JELでは、こうした教科書だけでは分からない、実際にサロンを経営してきたからこそ分かる考え方も、リアルにお伝えしていきたいと思っています。
価格設定・サロン経営のお悩みをご相談ください
📌 この記事のまとめ
- 価格は「相場に合わせる」ではなく、コストと必要な利益から逆算して決める
- 施術時間だけでなく、カウンセリング・知識・経験もすべてサービスの価値
- 「何をするか」ではなく「どうなれるか」を伝えると価値が変わる
- 安さで集めたお客様は安さで離れる。「選ばれる理由」をつくることが大切
- 値上げは悪いことではない。理由を説明できれば適正価格への見直しは必要
- 価格設定は「どんなサロンをつくりたいか」を決めること






